江戸小紋は,江戸時代の武士の礼装。当時,武士の裃に使われていた。
しだいに庶民の間でも流行しましたが派手な着物を禁止した「贅沢禁止令」が出された事により次第に落ち着いた色味と繊細な模様になっていきました。
「江戸小紋」という名称ができたのは,それからずっと後の1955年(昭和30年)
小紋型染の第一人者である小宮廉助氏が人間国宝に認定された際に,京小紋,など多彩色の小紋と区別する為に名付けられました。
江戸小紋の製作には,彫り師と染め師が大きくかかわっています。
➀まず江戸小紋の柄作りに重要なのが型紙。三重の伝統工芸の伊勢型紙に職人さんが手作業で彫って作ります。
三重の伝統工芸品の伊勢型紙を使い染めます。
染める前にまず重要なのが,
②色糊の作成.
糯粉と米ぬかを混ぜて蒸し.よく練った元糊に染料を入れて作ります。
色糊は,染め上りの出来栄えを左右するもなので.長年の経験や勘が必要です。
③次に長板に絹の生地を張って伊勢型紙を乗せヘラで色糊を置いて染めます。
1反もの長い生地に寸分のズレる事なく染めるので非常に細かく難しい作業です。
④糊が乾いたら今度は生地全体に染めます。
⑤染めた生地を蒸して色を定着させます。
⑥その後水洗いをして糊や汚れを洗い流します。
*昔は神田川を使っていた。
⑦乾燥させて湯のしで幅を整えて江戸小紋の完成です。
伝統工芸品を二つも使った贅沢な日本の粋な生地です。
1974年(昭和49年)に伝統工芸品に認定されました